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凡例

題名 著者 / 編者 出版社
コメント
評は☆◎○△×の5段階です

ジェイン・エア シャーロット ブロンテ 岩波文庫
昨年読んだ「嵐が丘」に引続き、ブロンテ三姉妹のシャーロットの代表作を読んでみました。 「嵐が丘」ほと殺伐とした物語ではないのですが、主人公のジェインの最終的な選択は男である私には良く理解できませんでした。
海の都の物語 -ヴェネツィア共和国の一千年- 塩野 七生 中公文庫
ヴェネツィアの都市としての発生から、独立国としての終焉にいたるまでを活き活きと書いた長編です。 無味乾燥でつまらない歴史書が多い中で、史実に忠実に立脚して、ここまで魅力的に歴史を語る小説はなかなかないです。
これを読んだお蔭で、ヴェネツィアに行ってみたくてたまらなくなりました。
季節のない町 山本 周五郎 新潮文庫
創竜伝10 -大英帝国最後の日- 田中 芳樹 講談社ノベルス
最早滅茶苦茶になりすぎて、面白いのを通り越してつまらなくなってしまいました。
星界の戦旗 I 森岡 浩之 ハヤカワ文庫JA
前作「星界の紋章」シリーズは、多少荒削りなところがあったものの、新鮮な点もあってそれなりに面白かったのですが、今度は全然話に乗れなくて、面白くなかったです。
続きが出ませんねえ。
フリーメーソン リュック ヌフォンテーヌ 創元社「知の再発見」双書
フリーメーソンの歴史をフランスを中心にまとめてあります。 怪しげな解説本が多い中で、純粋に歴史などを中心に書いてあるのですが、今一つ面白くないです。
紀ノ川 有吉 佐和子 新潮文庫
丁度和歌山線で紀ノ川沿いに移動中に読み始めました。 小説の方は、川の流れに沿って、熊野から和歌山に下って行く方向に進んで行くのですが、私は川の流れに逆行して和歌山から王子に向かっていたので、途中から本文中の地名が後方に去って行くのが変な感じでした。
人類補完機構 第81Q戦争 コードウェイナー スミス ハヤカワ文庫SF
独特な世界設定の人類補完機構シリーズの短篇集です。 え、EVA? 別にそういう理由で読み始めた訳ではないのですが、実際ドイツ語が多用されているところとか、随所に影響は見られますね。
× インターネット中毒者の告白 J. C. ハーツ 草思社
アメリカでベストセラーになったらしいのですが、はっきり言ってつまらないです。 ハーバード出身の元女子大生がいかにネットワークの世界にはまって、そこで何を見聞きしたか、そしていかに抜け出したか、を書いています。 しかし、内容はネットワーク上の様々なコミュニティを紹介して、延々とチャットのログを掲載しているだけです。
ニコライ遭難 吉村 昭 新潮文庫
明治になった最大の国難、ロシア帝国皇太子暗殺未遂事件、いわゆる「大津事件」を扱った小説です。 当時の日露関係、ロシア皇太子と皇帝および皇后の人柄、などが良く描かれています。
小説中、明治天皇や大臣らがしばしば神戸まで開通したばかりの鉄道で往復するのですが、昔はわが国でも昼夜を問わず24時列車が走り続けていたのですね。 ある意味で、今よりも便利だったかもしれません。
しかし、混乱後の貴顕の頻繁な移動による、相次ぐ臨時列車の運行は、さぞかし運行計画者が苦労したことと思います。 その辺ももう少し詳しく書いて欲しかったです。
朝の歓び 宮本 輝 講談社文庫
内容に関しては省略しますが、イタリアの碧い空と海、強い日射しが感じられて、生きていくことの喜びが感じられる本です。
人類補完機構 鼠と竜のゲーム コードウェイナー スミス ハヤカワ文庫SF
母の影 北 杜夫 新潮文庫
晩年、「痛快婆さま」と呼ばれ、若い頃は奔放な女性として一生世間を騒がせて生きた齊藤茂吉の妻で、自らの母について北杜夫が想い出を書いた短篇集です。
緋色のヴェネツィア -聖マルコ殺人事件- 塩野 七生 朝日文芸文庫
塩野七生に書かせると、こういう題名の小説も、時代小説になってしまうのですね。
人はこうして美味の食を手にいれた 小泉 武夫 KAWADE夢新書
この本の著者はすごいです。 世界のあらゆる臭いものを求めて旅しては食し、臭い匂いをして「郷愁を誘う」だの、「これが分かる人は教養のある人」だのと言うところは常軌を逸しています。 しかし、美味しそうですねえ、臭いもの。
二都物語 チャールズ ディケンズ 新潮文庫
フランス革命前後の主にロンドンとパリを舞台にした物語です。 しかし、この作者の話の持っていき方とか、まわりくどい表現方法はあまり好きになれませんでした。
鉄塔 武蔵野線 銀林 みのる 新潮文庫
こんな変な小説は最近読んだことありません。 そもそも、小説と呼ぶのもためらわれます。 でも、他に呼びようもないので、一応小説ということにしておきます。
本作品は「日本ファンタジー小説大賞」受賞作です。 過去に「後宮物語」「バルタザールの遍歴」を排出して来た賞です。
話の筋は、ある日近所の送電鉄塔の番号札に興味を持った少年がその鉄塔の属す送電系統の端から端まで全鉄塔を巡る話です。 それだけでは、ありそうな小説なのですが、専門用語を交えた鉄塔の細かな描写や、本文の間や巻末に全鉄塔の写真が掲載されており、普通の小説とは一味も二味も違います。 電気工学専攻の私や仲間達なら、それなりに面白く読めますが、一般の人に受けるんでしょうかね? 映画化もされるようです。
ハーディ短篇集 トーマス ハーディ 新潮文庫
Four Ways to Forgiveness Ursula K. LeGuin Harper Prism
銀色のフィレンツェ -メディチ家殺人事件- 塩野 七生 朝日文芸文庫
おしゃべりなタンザニア 木村 映子 東京新聞出版局
内海の漁師 アーシュラ K. ルグイン ハヤカワ文庫SF
ゴーゴー・アフリカ(下) 蔵前 仁一 凱風社
THE END OF EVANGELION 僕という記号 庵野 秀明 幻冬社
チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷 塩野 七生 新潮文庫
人類補完機構 シェイヨルという名の星 コードウェナー スミス ハヤカワ文庫SF
ファウンデーションと地球 アイザック アシモフ ハヤカワ文庫SF
女の一生 -一部・キクの場合- 遠藤 周作 新潮文庫
日蔭者ヂュード トーマス ハーディ 岩波文庫
帰ってきた空飛び猫 アーシュラ K. ルグイン 講談社文庫
風の歌を聴け 村上 春樹 講談社文庫
高野聖・眉かくしの霊 泉 鏡花 岩波文庫
桃色浄土 坂東 眞砂子 新潮文庫
女の一生 -二部・サチ子の場合- 遠藤 周作 新潮文庫
The Left Hand of Darkness Ursula K. LeGuin
ジャパニーズ・スマイル 中島 みゆき 新潮文庫
好きになっちゃったソウル 下川 裕治 双葉社
黄金のローマ -法王庁殺人事件- 塩野 七生 朝日文芸文庫
ひとたびはポプラに臥す(1) 宮本 輝 講談社
もの食う人びと 辺見 庸 共同通信社

Books I read in 1997 (in Japanese)